NTR文芸館

寝取られ・寝取り・寝取らせなどをテーマに官能小説を書いています

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愛のすきまで交わって・93

(わたし、何で……)
 自身の行動に明確な理由を見出すことができないまま、希恵子は座って靴を履く黛の頭頂を見るでもなしに見つめる。
「よ、っと」
 そうひと声かけて立ち上がると、黛はダンスのステップでも踏むようにくるりと後ろを振り返った。
「えっ……」
 床と三和土の段差で身長差がなくなって、黛の顔がちょうど希恵子の正面に置かれる。
「……」
「……」
 何を言うでもなしに、しばらくの間見つめ合った。
「ああ、そういえば奥さん」
「は、はい?」
 不意に語りかける黛に、希恵子が驚いたように言葉を返す。
「最後に――」
 言いながら、黛がゆっくりと、希恵子に顔を寄せた。
 唇が、今にも触れ合いそうな至近距離にまで接近する。
(だ、だめ!)
 希恵子がかっと大きく、目を見開いた。
 ここは、駄目。
 唇へのキスだけは、駄目。
 ここは何があっても、和臣だけの場所。
 どれだけ辱められようと、どれだけ淫らな痴態を晒そうと、それは希恵子にとって譲れない一線。初めの日から今日に至るまで全くぶれることのない、大事な大事な、信念だった。
 その、はずだった。
 なのに。
(あ、ああ……)
 希恵子は、顔を動かすことができなかった。
 別に押さえつけられているわけではない。ただ相手の顔が近づいてきただけ。避けることも突き飛ばすことも、やろうと思えば簡単にできる。
 だが希恵子には、それができなかった。
 やろうと、思わなかった。


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[ 2018/03/04 11:58 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・92


          *   *   *

 午後の古沢家。
 昼寝でもしたくなるような穏やかな陽射しが差し込むリビングでは、中年の男と妙齢の女が神妙な顔で向かい合っていた。
「いよいよ、奥さんとも今日でお別れですね」
 飲みかけのカップに口をつけてから、黛がおもむろにそう切り出す。
「え、ええ……」
 待ち望んでいた瞬間を迎えたはずの希恵子だが、その表情はどことなく重い。
「当初のお約束通り、和臣くんに借金の返済は不要と伝えておきました。疑われる心配はまずないと思いますので、どうぞご安心を」
 相変わらず高そうなスーツを身にまといながら笑顔でそう説明する黛の風体は、一見すると仕事のできる営業マンか何かのよう。
 実際、無能ではないのだろう。
 この三ヶ月の間、希恵子は幾度となく黛のスペックの高さを思い知らされてきた。そして、それは同時に、夫である和臣の足りない部分を見せつけられるということでもあった。
(何を、そんな……)
 心中に湧き上がる思いを打ち消すように、希恵子が小さく首を振る。
 比較する必要などない。大事なのはたった一人。自分が人生の伴侶としてともに歩む相手は和臣以外いないのだ。
 過去も、現在も、そして、未来も。
「では、そろそろおいとまするとしましょうかね」
 残りのコーヒーをぐいっと一気にあおると、黛はソファーから立ち上がって、軽い足どりで玄関へと歩を進めた。
「……」
 希恵子も無言のまま腰を上げると、黛の背中を追うようにしずしずとその後に続く。
(あ……)
 しまったと、思った。
 見送りなどするつもりはなかった。それはそうだろう。自分に陵辱の限りを尽くしたこんな下種男に尽くす礼儀など、どこを探したって見つかるはずもない。
 だがそれでも、希恵子は当然のように黛に付き従ってしまった。至って自然な動きで、去りゆく男の後ろ姿を追いかけてしまったのだ。


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[ 2018/03/03 11:42 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・91

「よし、じゃあまずは」
 和臣は引き出しを開けると、奥から小さな木の写真立てを取り出して机の上に置いた。
 もちろん写っているのは、笑顔の希恵子。
 愛妻写真を職場の机に飾ることはこれまでも考えていたが、何となく気恥ずかしくて、結局実行できずにいた。
 だが、これはいい機会だ。
 自分の愛情を示すために。志を忘れないために。そして何より目の保養に。やるなら、今が一番いいタイミングに思えた。
「これでよし、と」
 写真の希恵子に軽く笑いかけると、和臣が気持ちを入れ直すように、うーん、と一つ伸びをする。
 その、瞬間。
「……あ、あれ?」
 久しく感じたことのなかった脈動が、和臣の股間をどくどくと打った。
「う、うわ……」
 おとなしそうな冴えない顔が、初めて性に目覚めた小学生のようにきらきらと輝く。
「嘘、みたいだ……」
 さっきと同じ言葉を、また漏らした。
「これなら、希恵子さんと……」
 今まで抑えられてきた欲望が、心の奥で一気に芽を吹く。
 ツキが、巡ってきた。
 ほとんど直感的に、和臣はそう思った。
 あの出張以来仕事は順調だし、借金も黛のお陰で帳消しになった。おまけにここ数年ずっと悩んでいたEDまで解決とあっては、いいことずくめすぎて怖くなるくらいだ。
「うん……うん」
 幸運を噛み締めるように、和臣が何度も頷く。
 夢と希望と、そして愛。
 全てがごちゃ混ぜになって、ぐるぐると頭の中を駆け回った。
「よし」
 気合いを入れるように、むんと一つ姿勢を正したかと思うと、
「まずは仕事だ。頑張ろう」
 和臣は充実感にあふれた顔で、またキーボードをぱしゃぱしゃと叩き始めた。


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[ 2018/03/02 11:27 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・90


          *   *   *

 和臣は今日も狭いデスクに陣取って、一生懸命自分の仕事をこなしている。
「嘘、みたいだ……」
 口からこぼれたのは、もう何度目かも分からない、そんな一言。
 とにかく、黛の話は衝撃だった。
 五百万の借金を、ほとんど返しもしないうちにチャラにしてくれるなど、どう考えても有り得ないような申し出である。
「投資で自分でも信じがたいほどの儲けが出てね。幸運のおすそ分けだよ」
「別に君だけを特別扱いするわけじゃない。他の友人知人にも何らかの贈り物はしていこうと思っている。幸運を独り占めし過ぎると逆に不幸になる気がするんでね」
「そんなわけだから、ここはどうか私を助けると思って、頼む」
 黛はそんな内容の言葉を、自慢するでもなく、恩を着せるでもなく、ただ当たり前のように淡々と語った。
「実はこの件も絡んでね、これからはかなり忙しくなりそうなんだ。正直、電話に出ることもままならないと思う。当然あの店にも行けなくなるだろう。君との時間を失うのは残念だが、今回のことはこれまでの友情に対する私からの感謝とも考えてほしい」
 別れ際、黛はそんなことも言っていた。
「感謝するのはどう考えてもこっちなんだけど……」
 和臣が苦笑しながら、ぽりぽりと頭をかく。
 それでも、とにかく黛が自分との時間を惜しんでくれたのは嬉しかった。人間認めて欲しい人に認めてもらえるのは、とても幸せなことだ。
「でも、残念だなあ……」
 ぽつりと、こぼした。
 おそらく、もう会えない。
 今後の展望を語った黛のいつも以上に引き締まった精悍な面構えを思い出し、和臣は自然とそんな確信を深める。
「だけど、それはそれで、いいこと……なのかな」
 明るい声で、呟いてみた。
 いつまでも黛に頼ってばかりはいられない。
 借金の件が解決した今、これからは自分自身の力で希恵子と二人、しっかり生きていかねばならないのだ。
 過去を振り返って悲しむのではなく、今回のことを心機一転のチャンスと捉えて前に進む。 その方がよほど建設的だし、黛だって喜んでくれることだろう。


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[ 2018/03/01 11:37 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・89

「まあ、惜しいといえば惜しい女だが……」
 残念そうな声で、小さく漏らす。
 黛がたった一人の女にこうも入れ込んだのは、もしかしたら初めてかもしれなかった。
 女には不自由していないが、顔や身体、さらには声や細やかな仕草に至るまで、希恵子ほど性の欲求をかき立ててくれる相手は他にいない。
「でも、だからこそ、だな」
 ぼそりと、踏ん切りをつけるように呟く。
 惜しいからこそ、これ以上は駄目なのだ。
 これ以上やると希恵子は完全に「願い下げ」の女になり下がってしまうだろう。
 少しばかり未練があるからといってだらだらと関係を持ち続ければ、すぐに気持ちは冷えてしまい、欲望は夢から覚めたように萎える。
 たかだかゲームとはいえ、この関係は自分の手で作り上げた、一つの作品。
 自ら造り上げた砂の城を、自分の足で蹴り壊してしまうような真似をするのは、黛としてもやはり忍びなく思えた。
 希恵子に対して、バランスを崩さない範囲でやりたいことはひと通りやった。
 ならば、あとは予定通り事を進めた方がさっぱりするだろう。
 そう、世の中は何事も引き際が肝心なのだ。投資も、そして――ゲームも。
「それにしても……」
 黛が助手席に無造作な状態で放り出されている五枚のDVDをちらりと見やった。
 中身はもちろん、希恵子との情事。
 金にあかせて買い漁った高性能パソコンと編集ソフトを駆使して完成させた、黛匡一渾身の力作である。
 なぜいつも近場のホテルで同じ部屋なのか。
 そんなのは長い時間部屋を押さえて撮影の環境を整えるために決まっていた。
 ついでに言うなら、自宅の中をうろついたのは小型のカメラを設置するため。まさか本気であんな安普請のお宅探訪などするはずもない。
「さてさて……」
 黛は思案を始めた。
 きらきらと無機質に光る、五枚のディスク。
 いつものように棚に並べ、コレクションとして楽しむことは確定だが、果たしてそれだけでいいものだろうか。
 ネットに上げるのはあまり趣味じゃないが、一つの手段としてはありだろう。
 記念品として希恵子に贈呈するのも悪くないように思える。
 だが、それならいっそのこと和臣に送りつけてやった方が、展開としては面白くなるのではないだろうか。
「うーむ……」
 このスリルと快楽に満ちたゲームに、どんなエンディングを用意するか。
 黛の予定は現在のところ、全くの白紙である。


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[ 2018/02/28 11:28 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・88

「和臣くんは消費者金融から五百万ほど借金をしています」
「……え?」
 この時点で希恵子は既に黛の投じた針に引っ掛かり、決して逃れることのできない状態へと追い込まれていたのだ。
 のんびり垂らした釣り糸に掛かったのは、想像以上の大魚。
 そして、一度釣り上げられた魚が元の場所に帰ることは、もうない。
「悪くない三ヶ月だったな」
 抑え切れない笑みが、黛の口からこぼれる。
 今回の件は黛にとってスリリングで背徳感に満ちた、それこそ投資などよりよほど面白い、最高のゲームとなった。
 和臣の転がり方が予想より激しかったために出費は少しかさんだが、それでも後悔はない。五百万くらいなら黛には痛くも痒くもないし、希恵子と過ごしたこの濃密で淫靡な三ヶ月にはそれ以上の価値を十分見出すことができた。
「だが……」
 それも、今日までのこと。
 車を走らせながら、黛は瞬時に頭を切り替える。
 これ以上は駄目だと、そう思っていた。
 もちろん和臣にばれると厄介だというのはあったが、それより何より、希恵子が自分の物になり過ぎてしまうことが、黛には許せなかった。
 まるで娼婦のように媚を売ってくる女。
 自分から積極的に男を求め、腰を振りまくる女。
 恥じらいも何もなく、ただ性の快楽に溺れるだけの女。
 そのどれもが、黛にとっては単なる「願い下げ」の女でしかない。
 だが、古沢希恵子という女は、違った。
 不貞の相手に嫌悪感を抱き、心ではあくまでも夫への貞操を守ろうとする。身体がどれだけふしだらに疼いても、自ら男を咥え込んで快楽に耽溺することは頑として受け付けない。
 希恵子がそういう潔癖な気性の持ち主だったからこそ、黛はこのゲームを期限一杯、存分に満喫することができたのだ。
 逆に言えば、そこが崩れるのだとしたら、もう古沢希恵子という女にもう用はない。
 兆しは、既に現れていた。
『んっ! んんっ! き、きて! 匡一さん! きてええぇっ!』
『あぁんっ! 匡一さんの、オチンチンが、好きぃっ! 出して! 中に、出してえぇっ!』
 これまで、根本的な部分では決して屈することのなかった希恵子の精神が、性的興奮の波に呑み込まれた、あの日。
 変化は、歴然であった。


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[ 2018/02/27 11:53 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)


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